落葉樹(落葉広葉樹)とは

落葉広葉樹

落葉樹とは、秋から冬にかけてすべての葉が枯死して落ちる樹木をいう。一般的には、春から新葉や花を咲かせ、夏に深緑の葉をつけ、秋から落葉し、冬に葉をすべて落とすものが多い。一戸建て住宅の庭では、空間に季節感を与える樹木として重宝される。落葉樹は、落葉広葉樹と落葉針葉樹に分けられる。日本では、落葉広葉樹に属するものが多く、落葉針葉樹は少数である。

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落葉広葉樹の特徴

落葉広葉樹は、一般的に平たく広い葉を持つ落葉樹をいう。常緑広葉樹と比べて、葉の厚みが薄いものが多い。葉が枯死するまでは、5〜7ヶ月程度(地域にもよる)で、落葉する前に見事な紅葉を見せる樹木もある。冬になると、すべてが落葉して幹枝のみの容姿となるが、春には新葉が生え始める(サクラやウメのように葉が展開する前に花が咲く樹木もある)。新葉は柔らかく、常緑広葉樹と比較すると害虫が食す可能性は高いといえる。害虫への抵抗力は、樹木にもよるところであるが、スミチオン等の薬剤を散布すればあらかじめ防ぐことができる。もっとも、冬には落葉してしまうので、虫食いが生じても翌年の心配には及ばない。

落葉樹は、落ち葉の掃除が大変というイメージを持っている方も多いかもしれない。しかし、落葉は一定の時期であり、時期を問わずに葉が入れ替わる常緑樹に比べると、一年中落ち葉の掃除をする必要はない。

落葉広葉樹の一番の特徴は、日本の四季を間近で感じられるということにある。暖かい春を迎えて、葉を芽吹き始める。人間も樹木も新年度を迎えて新たに動き出す。夏には十分な葉をつけ、木陰をつくる。その際、夏の暑い日差しを軽減してくれる。秋には美しい紅葉を見せ、日本人独特の風情ある空気感を感じさせてくれる。また、暑い夏が過ぎ去ったことも知らせてくれる。冬には葉を落とし、木陰をつくらずに冬の低い日差しを迎え入れてくれる。

また、落葉広葉樹は常緑広葉樹に比べて、鮮やかな花を咲かせるものが多いことも特徴だ。冬の間にしっかりと休眠を取り、春や夏には美しい花でエネルギーを爆発させる。日本人の好きな、サクラやバラも落葉広葉樹である。梅雨のアジサイや夏のサルスベリも印象深い。

近年の一戸建て住宅の庭で、良く植えられる落葉広葉樹をいくつかご紹介しよう。

中高木

モミジの仲間(イロハモミジ、オオモミジ等)、カエデの仲間(ハウチワカエデ、コハウチワカエデ等)、ネグンドカエデ・フラミンゴ、アメリカハナノキ、ハナミズキ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、シャラノキ、アオハダ、アオダモ、トネリコ、ライラック、ナツメ、ムクゲ、ジューンベリー、シラカバ・ジャクモンティ、スモークツリー、エゴノキ、キングサリ、サルスベリ、カツラ、クロモジ、スズランノキ、ナツハゼ、シラキ、マユミ、ツリバナ、ナナカマド、クラブアップル、マンサク、ニセアカシア、アメリカハナズオウ、ロウバイ、カイドウ、ミツマタ、メグスリノキ

生垣

ドウダンツツジ、ニシキギ

低木

アジサイの仲間(アメリカアジサイ・アナベル、カシワバアジサイ、ヤマアジサイ等)、ミツバツツジ、クロフネツツジ、ブルーベリー、ラズベリー、ヒメライラック、ユスラウメ、エニシダ、ハギ、ドウダンツツジ、サラサドウダンツツジ、マルバノキ、バラ、フヨウ、ビヨウヤナギ、ユキヤナギ、コムラサキ、オオデマリ、コデマリ、ヤマブキ、レンギョウ

落葉広葉樹は、最も近くで感じられる「季節感」として度々メインツリーに使用される。ご家族と過ごす時間と共に、変化し成長するのも落葉広葉樹ならではである。また、日当たりの良い窓やウッドデッキ、テラスの前などに、緑陰樹として植えられる事が多い。緑陰樹とは、夏は枝葉の木陰によって日差しを遮り、冬は落葉によって日差しを取り入れるための樹木である。これは落葉広葉樹の性質を見事に利用した、人間の知恵といえる。

目隠しなどに多く使用される常緑広葉樹に比べ、落葉広葉樹は「木」そのものを鑑賞する楽しみがある。メインツリー、サブツリー、緑陰樹などあらゆる用途に落葉広葉樹を取り入れていただきたい。

植物の知識

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